歴史系マンガは世に多く出ていますが、最近は主人公が未来から来た設定ものが多く出ており人気があります。
その中でも、時代考察がしっかりしており、リアリティーがあると感じたマンガ「センゴク」についておすすめポイントを踏まえて紹介していきます。
こんな方を対象にした記事です。
・戦国時代にロマンを感じる。
・フィクションよりリアルなマンガが好き。
・マイナーな武将に惹かれる。
センゴクとは
『センゴク』は、宮下英樹による作品で、週刊ヤングマガジンに2004年から掲載され、第2部を『センゴク 天正記』、第3部を『センゴク 一統記』として連載。2015年50号から第4部にして最終章『センゴク権兵衛』が連載され、2022年13号をもって完結しました。
2007年に番外編として『センゴク外伝 桶狭間戦記』(全5巻)が連載された。2021年12月時点でシリーズ累計発行部数は1059万部を突破している作品です。
あらすじ
戦国時代、稲葉山城の戦いで美濃・斎藤家臣だった仙石権兵衛秀久は織田信長に捕らえられ、その部下として織田家中に迎え入れられる。
合戦に明け暮れる過酷な日々の中で権兵衛は、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康ら戦国時代の英傑たちの下で失敗と挽回を繰り返しながら成長してゆく。
第1部「センゴク」
美濃・斎藤家臣仙石権兵衛秀久(十五)は美濃を征服した尾張国主・織田信長に見出され、その家臣・木下藤吉郎の寄騎となる。怒涛の勢いで勢力を広げる織田家に危機感を抱いた諸大名の信長包囲網の中、権兵衛は数々の死闘を潜り抜ける。1567年の稲葉山城の戦いから金ヶ崎の退き口、姉川の戦い、比叡山焼き討ち、三方ヶ原の戦い、一乗谷城の戦いを経て、1573年の小谷城の戦いによる浅井家の滅亡までが描かれる。全15巻。
第2部「センゴク 天正記」
小谷城攻略の功績により大名に取り立てられた秀吉と共に権兵衛(二十二)も一千石の領地を預かる領主となり、家臣団を組織する立場となった。一指揮官としての成長を迫られながら、未だ続く信長包囲網を戦い抜く。1574年の長島一向一揆から長篠の戦い、雑賀攻め、手取川の戦い、中国攻め、甲州征伐による武田家滅亡までが描かれる。全15巻。
第3部「センゴク 一統記」
1582年、中国遠征を続ける秀吉の備中攻めより物語は始まる。天下統一を目前とした織田家は本能寺の変により衰退の一途を辿ることになる。一つの時代が終わりを迎え、新たなる時代の始まりを迎える。高松城水攻め、本能寺の変、中国大返しと山崎の戦い、清洲会議、引田の戦い、賤ヶ岳の戦い、小牧・長久手の戦いまでを描く。全15巻。
第4部「センゴク権兵衛」
1584年の九州から物語は始まる。沖田畷の戦いにより龍造寺の衰退が始まり、島津家は九州統一まであと一歩と迫っていた。一方、淡路国の大名となった権兵衛(三十四)は長宗我部の抑えとして役割を果たしていたが、戦国史上最大の失敗は目前に迫っていた。沖田畷の戦い、紀州征伐、四国征伐、戸次川の戦い、小田原征伐、文禄の役(名護屋在陣組)、豊臣秀吉の死、上田合戦、時は流れて1614年の権兵衛の死で物語は完結した。全27巻。
おすすめポイント
(1)史実を忠実に再現されている。
戦国系のマンガにありがちな派手な演出等はなく、あくまで当時の技術や日本人の体格・気質を丹念に調べ、城攻めの方法や虎口の役割等をマンガで分かりやすく描かれています。
一番印象的だったのが、第4部での文禄の役における朝鮮出兵軍の小西行長が秀吉の密命を受けて朝鮮政府との交渉を進める部分です。
当時の政治情勢や朝鮮出兵軍の状況、5奉行(石田三成、増田長盛、長束正家、前田玄以、大谷吉継)の苦悩などがリアルに描かれています。
(2)一兵卒からの視点が面白い
仙谷権兵衛秀久が斎藤家の足軽時代から物語がスタートするため、当時の豊臣秀吉こと、木下藤吉郎に仕え、竹中半兵衛という天才軍師の近くで生活しながら秀吉の出世を支えつつ、織田信長や徳川家康とも密接に関わっていくストーリーが物語をより面白く演出しています。
(3)サクセスストーリーがアツい
第1部~第3部までは、仙谷権兵衛秀久は順調に出世していき、淡路や讃岐の大名となりますが、第4部の戸次川の戦いで秀吉の命令に反して島津軍と戦い大敗を喫してしまい、改易となってしまいます。
それから汚名と罪悪感を背負いながら美濃国へ帰郷し、郷土の英雄として故郷からは暖かい歓迎を受け、秀吉からも堪忍料1万石をもらい不自由のない生活を送るものの、意義の無い日々を過ごす事に耐えられず、妻子と離れて咎人が集まる高野山に自ら身を寄せたり、茶会や寺院での勉学などこれまで心得になかった知識を学び取り、自分の縁に報いる為にも再起を志す決意を固めて北条攻めが開始されると豊臣軍の牢人衆として参陣します。
そこで小田原城の虎口を奪取する働きを見せ、徳川家康の口添もあり、信州小諸5万石の大名に復帰するという大逆転劇です。
まとめ
一兵卒の足軽から戦国大名に出世し、大失敗をして転落してしまったが様々な経験を積んで再起を図り、見事に大名に返り咲いた仙谷権兵衛秀久の生きざまは、今の現代社会に生きる私たちも見習うべき部分です。
失敗を恐れてリスクを回避するのではなく、あえてリスクを取ってでも前に進んでいくがむしゃらな姿勢が、見ている人の心に残り、少ないチャンスをものにできる唯一の方法なのだとこのマンガは教えてくれました。
読んだことのない方はぜひ一度読んでみてほしいです。
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